2020年 インドのスタートアップ企業 注目すべき10社 第10位

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みなさんこんにちは!Kayoreena(@kayoreena1021)です!

 

今回は「2020年新年企画○インドテックを知ろう!」ということでYourStoryという現地のメディアを参考に「2020年 注目すべきインドのスタートアップ企業」についてランキング形式でまとめていきたいと思います!

 

YourStoryとは?

今回参考にするYourStoryというメディアに関して簡単な紹介です!

YourStoryとは、インドのスタートアップに関するニュースを発信するメディアです。起業家の歴史、企業の資金分析、エコシステム、現地の新しいトレンドの始まりなど、さまざまなトピックを編集して読者に届けています。

YourStoryの編集チームは、バンガロールを拠点に働いていますが、ヒンディー語、カンナダ語、タミル語、テルグ語、マラヤーラム語、マラーティー語、グジャラート語、パンジャブ語、ウルドゥー語、ベンガル語、オリヤ語など、英語と12のインドローカル言語を通じ情報を発信しています。

テキストだけでの情報に限らず、ビデオ、ソーシャルメディアにまたがるYourStoryのコンテンツは、常にポジティブな視点で分析しており、かつ読む読者を元気付けるものであります。事実を伝えながら、悲観的な批判がないことが特徴です。YourStoryはインド市場に挑戦する起業家たちをポジティブな温かい気持ちで、応援しています。実績として、これまで6万件以上の記事を発行し、5万人以上の現地起業家のネットワークと資金調達を支援してきました。

今回はこちらのメディアを参考に紹介します!

2019年 YourStoryがまとめる注目すべきインドのスタートアップ

YourStoryは昨年2019年にインドのスタートアップ市場に最もインパクトを与えたスタートアップ企業と題して50の企業を選出しました。

スタートアップを選出した人は、YourStoryのシニア級編集スタッフ、および業界の専門家で構成される審査員。複数の審議を通じて約300のノミネート初期リストを作りました。

審査項目として

  1. 市場の可能性
  2. チームワーク
  3. 使用されているテクノロジーのレベル
  4. 提供される製品またはサービスのレベル
  5. イノベーションであるか
  6. 成長の可能性
  7. 製品の利用率
  8. セキュリティ

こういった指標からスタートアップのランキングが決定され、最終的にトップ50が発表されました。

今回は皆さんに幅広くインドテックの魅力を知ってもらうべくトップ50のうち、上位10社をランキング形式でお伝えしていきます!

では早速、本日は10位から発表します!!

 

Contents

第10位 YULU インドの都市向け 低価格自転車&バイクレンタル

 

第10位は2017年に設立されたシェアサイクリングプラットフォームのYuluです!バンガロールで初めてのシェアサイクリングサービスとしてスタートしました。

 

基本情報

Yuluは、インドの慢性的な都市渋滞と汚染を解決することをミッションに、より低価格で、よりシンプルな、誰もが簡単に利用できるとモットーに、モビリティプラットフォームを提供しています。「歩くにはしんどいちょっとした短い距離の移動」をサポートし、人々の交通の利便性を向上させます。

Yuluが提供するプロダクトは主に2つです。

HPより写真を引用

1つ目はYulu Miracleと呼ばれる電気自転車。最大速度25km/時間でありながら、ライセンスやヘルメットが不要です。スクーターより軽く、自転車より速く進むことが特徴。

充電はすべてプラットフォームで管理されており、10%を下回ると運営チームが自転車を回収して対応します。

EconomicsTimesより引用

2つ目は自転車。GPS,GPRSおよびBluetoothを搭載。高品質なボディで心地よい使用感も担保しています。

Yuluは現在、バンガロール、プネ、デリー、ムンバイ、ブバネシュワールで営業しています。バンガロールだけでも850以上のYuluゾーンまたは駐車ゾーンを準備しています。

使い方はこちら▷

HPより引用

 

Yuluが注目される理由

2017年に設立されたモビリティプラットフォームYuluは、これらのバイクが適切なタイミングですべての場所で適切な密度で利用できるようにコントロールされています。

ファウンダーのAmit Guptaは、シェアサイクルの市場規模は現在世界で80億から100億ドルに近くになり、2022年までにインドでは10億ドルを超えると予測しています。 Amitは、Yuluが5〜10倍のビジネスポテンシャルを持つプラットフォームに成長できると考えています。

Yuluは既存の自転車のサービスに加え、電気自転車Yulu Miracleを2019年2月にバンガロールでスタートしました。そして同年8月にデリーまでこのサービスを拡大しました。更にYuluはバンガロールで、パイロット事業としてUberと提携しました。この提携により、UberアプリはユーザーをYuluの登録ページにリダイレクトできるようになりました。

なお、Yuluには日本人投資家のMurakamiさんも初期の頃から関わっています!

ラストワンマイルは誰が解決するのか? ーMaaSの概念ー

ここでインドの「MaaS」について皆さんとシェアしたいと思います。

「MaaS」はMobility as a Serviceの略で「マース」と読みます。MaaSとは、まだ新しい概念なので国によって定義に多少ばらつきがありますが、国土交通省の資料の定義によると、

“MaaSとは、ICT を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を 1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ 新たな「移動」の概念である”

とされています。難しいですね(笑)

例えば今だと、自宅から目的地まで、バス・電車・飛行機・レンタカーなどを乗り継いで行きますよね。それをそれぞれ各交通機関ごとに予約を入れて決済をしていますが、MaaSが実現することにより、スマホなどで一括して最適な交通手段の検索→予約→決済まで行うことが可能になります。

MaaSによって交通の手段をなめらかにする世界を実現することが今後の交通業界の課題として注目されていますが、Yuluは「自宅からバス停や駅までの距離、着いた場所から最終目的地までのちょっとした距離=人々のラストワンマイルを解決するMaaS」として注目されているのです。この分野は世界的にも注目されています。

現在、インドでこのMaaSの業界で成功をおさめている企業はありません。バンガルールに拠点を置くBounceやRapidoなどのベンチャー企業はよく知られていますが、Mobycyはまだ目立った実績があがっておらず、ZoomcarはPEDL(シェアサイクリングサービス)を一時的に廃止しています。

インド・シェアサイクル登場「MOBYCY」登場! vol.419

2018-01-13

 

EVがインドのモビリティの概念を変えるのか

今回Yuluが自転車以外に、Yulu Miracleといわれる電気自転車もサービスとして導入していることは非常に画期的であり注目されています。更に政府もモビリティサービスの普及に積極的であり、地下鉄やバスのターミナルの近くにYuluゾーン(Yuluのサービス拠点)を建設し、自家用車を使用する人が減るようにしています。

Yuluとしても、電気自転車(Yulu Miracle)の方に大いに成長を期待しています。現在電気自転車は2000ほど提供されていますが、これを12ヶ月以内に50倍の100,000に増やすことが直近の目標です。

それに比べ自転車は現在8000準備されているのに対し、将来的な目標数値は15000程度です。自転車があまり注目されない理由は、収益の悪さと、インドのハードな気候に適さないサービスである点です。デリーの暑い夏と厳しい冬、ムンバイの湿度の中、自転車の利用はそこまで伸びないと分析されています。

一方で電気自転車は初期投資がガソリン式スクーターより安く(70,000ルピー/45,000ルピー)利用者の使用時間が長いため、収益化がしやすい点、国としてもEVの普及を推奨してる点からも、今後の伸びが期待されています。Yuluのプロダクトの強みと言えるでしょう。

インドでのシェアサイクリングはたくさんサービスが登場しているものの、上記でも紹介したような気候条件の悪さや、収益化の難しさ、チームの運営力不足、普及の難しさなど、様々な理由で困難でありますが、その中でYuluはテクノロジーと最新のプロダクトを融合し、うまくサービスを拡大しています。

今回はこれまでの順調なYuluの拡大と、今後のポテンシャルを期待され、見事10位の入賞でした!!

さらに詳しい情報はこちら▷https://yourstory.com/companies/yulu

 

それでは明日は9位の発表をお届けします!

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KAYO OSUMI

函館生まれ 北海道大学医学部卒。2016年9月よりインドの現地採用で就業。当時よりインドに進出する日系企業向けに、インド現地の話題やビジネスに特化した記事を合計600本以上執筆してきている。2018年1月から東京拠点に移し活動を続ける傍ら、現在は株式会社メルカリのインド人・外国籍エンジニアの就業支援。引き続きインドのマーケティング、調査、人材採用を強みとする。
Kayoreena
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