インドで料理プラットフォームは流行るのか -インドフードテック事情- vol.508

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みなさんこんにちは!Kayoreena(@kayoreena1021)です!

 

今回はインド最大のレシピプラットフォーム企業「Better Butter」について紹介します。

 

先日、グルガオンにあるBetter Butterのオフィスに訪問させていただきました。

 

Kayoreena
現在インドで最大のレシピプラットフォームと言われるBetterButterのメンバー達です!

 

 

本日のテーマは下記の通りです!

 

BetterButterとはどんな企業か

BetterButterは、日本でいうCookpadのようなホームスタイルのレシピをシェアし誰もがアクセスすることができるオンラインレシピ共有プラットフォームです。

プラットフォームの共有コンセプトにより、ユーザーはレシピを送信したり、BetterButterモバイルアプリを使用して自宅からスタジオ品質の料理ビデオを作成することもできます。

BetterButterには、プラットフォーム全体で150,000を超えるレシピ、および月間約60万人のアクティブユーザーがいます。2015年の設立以来、同社は、デリーに拠点を置くGrowx Venturesシンガポールに拠点を置くM&S Partnersなど、さまざまな投資家に支援されています。

 

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2019年9月、シンガポールに本拠を置くマーケティング技術会社SilverpushBetterButterを買収。 この投資はSilverPushの広告ビジネスを強化するもので、今後インドでの広告バリューチェーンへの浸透を深めていく。SilverPushのコンテクスト動画広告とBetterButterの数百万のレシピを組み合わせることで、視聴者と効果的に関わる機会を増やすことを狙っている。

 

シンガポールに拠点を置くSilverpushがBetterButterを買収、メディアコンテンツに進出

 

ちょうど10月からのアプリリニューアルにあたり、現時点での状況と今後のビジネスプランについて話を伺うことができました!

 

Better Butterがスタートしたきっかけ

BetterButterは料理を志す人がホームスタイルのレシピの大規模なデータベースにアクセスできるようにすると同時に、主に主婦である料理未経験者の人がお気に入りの料理のレシピやビデオを紹介するプラットフォームを提供するという2つの目標から始まりました。

レシピはテキストだけでなく、動画のものも共有できる仕組みを取っており、2019年秋現在、約100,000テキストのレシピと16,000ビデオのレシピが共有されているのだそうです。

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▷こちらWeb版のページ。右の一覧からRegional(地域)を選べるような仕様になっている。(インドは地域によって料理のメニューが大幅に異なるため)

さらには検索窓の下で「言語」を選べるようになっており、現在英語を含め7言語のローカル言語に対応している。検索は8割近くが英語によるものだが、ローカル言語対応のサービスが少ないため、多様な言語を準備することで確実に利用者を増やすメリットもある。

 

動画のレシピはこんな感じ

 

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視聴者の方がオリジナルで作っています!

 

 

Better Butterのマーケティング手法

 

 

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Time for a luscious treat to please your taste buds! This renowned Indian dessert popularly known as “Kalakand” is super easy and quick to make, satisfying your sugar cravings. —————————————————————— Relish this iconic sweet dish by following these simple steps : 👉 Grease a round plate or baking tray with Ghee. . 👉 Add condensed milk and crumbled paneer in a heavy bottom pan and cook it for 15-20 minutes. . 👉Add cardamom and cook it for a minute more. When the mixture thickens, transfer it to the baking tray or plate. . 👉 Press it with the back of a spoon or spatula to even out the layer. Sprinkle pistachios and let it cool. . 👉Cut it with a knife according to your desired shape and serve fresh! Fun tip 👉 : Store it in an air tight container and keep it in the refrigerator , making it easier for you to munch on it whenever you like! —————————————————————— #betterbutter #kalakand #sweets #food #homecooking #sweets #food #easysweets #milksweets #milk #paneer #indiansweets #instafood #quickrecipes #soulfood #foodgasm #foodgram #foodbloggers #love #foodie #dessertporn #milkcake #mithai #meetha #snacks #desserttime #indiandessert #foodieforlife

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現在BetterButterのユーザーは78%が女性であり、その中でも特に25歳から34歳の若年層が50%以上を占めています。これまで主に口コミをベースにサービスが広がってきましたが、新経営陣もよりソーシャル・ネットワークを強化しコミュニティと口コミベースでさらなる認知を広げていく予定です。

 

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女性の場合「安全して利用できる」という場を確保することがオンラインプラットフォームでの重要な点であり、そのために「クローズなコミュニティ化」することで安全性を確保し、継続して利用してもらうモデルにしているのだそうです。

 

具体的にはFacebookの活用法とイベント活用(コンテスト)を教えていただきました。

 

Facebookを2つのグループに分ける

BetterButterのFacebookには「誰でも気軽にフォローできる一般的なページ(言語別)」と「許可制のグループ」の2種類が存在しています。

 

一般的なBetterButterのFacebookページの総フォロワー数は210万人で「BetterButter English」「BetterButter Hindi」「BetterButter Kids」「BetterButter Tamil」など全部で6つほど存在しています。そこからより利用頻度が高くBetterButterに貢献している利用者が許可制のグループに申請することで、許可制グループに参加することができ、より濃いコミュニケーションを可能とします。

 

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BetterButter Englishの一般ページのフォロワーは85万人ですが、許可制グループになると3万人程度に減ります。

 

この許可制グループの方は投稿や情報のシェアなど、社員がコミュニティマネージャーとして参加し、グループ内の治安を保っています。もしマナーが良くない利用者が登場したときは、コミュニティマネージャーがそのメンバーを排除します。

 

イベント活用によるメンバーのモチベアップ

BetterButterの中では定期的なユーザー内のコンテストを行っており、そのコンテスト内では表彰(一部賞金あり)も行っています。上記の写真のように、UPした料理のレシピには「レビュー数」「良いね数」「保存数」が表示されており、一つ一つのレシピがどれだけの人に利用されてたかがわかります。さらにFacebookやTwitterでも簡単にシェアできる仕様になっています。

 

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定期的に開催されるコンテストには600から800のエントリーの中から5人程度が選ばれ、これはユーザーの間で多くの熱意を生み出します。

 

ユーザーはtwitterのように個々のアカウントを持つことができ、利用者同士でフォロワーフォローの関係をもつことができます。アクティブな人にはたくさんのフォロワーが付き、多くの人の注目を集めることができます。投稿数が多いメンバーは、BetterButterから発行される無料レシピ本に掲載されるようになります。

 

ブログによる情報提供

料理の知識に関するブログも定期的に提供しています。

 

 

Kayoreena
よく見るとブログのメニューバナー一番目に出てくるのは「Celebrity=有名人

「有名人が好む食材」「有名人がよく行くお店」とかもアクセス良い模様!Tagも有名人の名前多くなってる(笑)

 

余談でこんなブログもありました(笑)

 

今後のBetterButterの展望

10月に大幅なリニューアルを迎えるBetterButterですが、今後のプランについても一部教えてもらうことができました。

キーワードはCommunity Content Commerce

1.SEO対策

現在、2000近くブログが投稿されているそうなのですが、今後はインデックスをつけて、検索での流入を強化していくとのこと。サイト内での滞在時間も増えるように、交通整備もしていくとのこと。

 

2.広告とマーケットプレイス

SilverPushの広告のノウハウを活かし、今後はUserに適した広告やEコマースを展開予定。さらにはアフィリエイトの形で、ユーザーも食材や調理器具などの製品を紹介できる形に転換し、マーケットプレイスとして活用できるように検討しているとのこと。

 

3.AIを活用したカスタマイズ

料理の画像検索や、これまでのユーザーの検索データなどを用いて、ユーザーがより利用しやすいレシピや案を提案できるように改善していく予定。動画の投稿や写真投稿にも、技術が活用されている。

 

 

BetterButterはなぜ必要とされるの

さて、皆さんBetterButterのビジネスモデルの話はイメージつきましたでしょうか。

ここまでBetterButterの話を聞いてきた私は、一つの疑問が拭いきれず、最後にこんな質問をしました。

 

Kayoreena
どうして人はお金にならない料理レシピを他人にシェアしたいのですか?

(こんな質問をすると、根本的なSNSの存在意義を覆してしまいそうです笑)

 

すると、こんな話を教えてもらうことができました。

 

インドではまだまだ(特に田舎では)男が外で働き、女は家で家事をするという考え方が残ります。田舎では、男性がしっかり太っていないと「あそこの家の嫁は、旦那にろくな飯を食わせない」と噂がたってしまうこともあったり。

女性は家族を支えるため、毎日家事をして皆のために料理を作っていても、人はだんだん、その当たり前に慣れていき、感謝していかなくなってしまうのです。

家の中で毎日料理を作る女性は誰かに見てほしい」「誰かに称賛されたい」「誰かに感謝してほしい」そんな気持ちを抱えるようになりました。

BetterButterのプラットフォームは、遠く離れた人々に「お母さんの料理」を届けることで、一人ひとりの女性へのRespect(称賛)Empowerment(勇気づけ)Appreciate(感謝)を実現したのです。

女性たちは自分たちの好きな料理のレシピをシェアすることで、誰かのためになりたいし、そして誰かに感謝されたいのです。

 

そのネットワークの実現がBetterButterの意義だと、教えてもらいました。

 

Kayoreena
その気持ち、痛いほどわかって胸が熱くなった。誰もが皆、自分のことを認めてほしいと思うことは自然だ

 

BetterButterは企業理念の一つに「女性のEmpowerment」も掲げています。

 

コミュニティの活用やコンテストなどでのEmpowermentを通じ、インドの女性にとって大切なプラットフォームになりつつあるBetterButter.近年、デリバリーで食生活のスタイルは変わりつつあるものの、家族文化が強いインドではまだまだ「料理を学ぶ」ツールはニーズがある模様。

今後はよりEコマースや最新のテクノロジーを活用することで、より複雑な女性のニーズに応えながら影響力を拡大していくことでしょう。

 

日本でもフードテックは近年盛り上がっていますが、今日はインドのフードテック BetterButterを皆さんにご紹介しました!質問がある方は、いつでもご連絡ください!

Thanks to BetterButter, now anyone can cook

 

ABOUTこの記事をかいた人

函館生まれ 北海道大学医学部卒。2016年9月よりインドで人材紹介会社にて現地採用で就業。インドで働き始めて毎日1本インドブログを更新し、2017年末まで400本ほど記事を更新。2018年1月から東京拠点に移し、インドと日本を行き来しながら、インドビジネス関連の情報を発信している。