インドスタートアップ ロック画面を活用した広告モデルGlanceについて vol.516

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みなさんこんにちは!Kayoreena(@kayoreena1021)です!

 

2020年1発目の企画「インドテックを知ろう!」ということでYourStoryという現地のメディアを参考に「2020年 注目すべきインドのスタートアップ企業」についてランキング形式でまとめていきたいと思います!

 

本日は第9位の紹介です!第10位の記事はこちらから▷

2020年 インドのスタートアップ企業 注目すべき10社 第10位

2020-01-02

Contents

YourStoryとは?(軽くおさらい)

今回参考にするYourStoryというメディアに関して簡単な紹介です。

 

YourStoryとは、インドのスタートアップに関するニュースを発信するメディアです。起業家の歴史、企業の資金分析、エコシステム、現地の新しいトレンドの始まりなど、さまざまなトピックを編集して読者に届けています。実績として、これまで6万件以上の記事を発行し、5万人以上の現地起業家のネットワークと資金調達を支援してきました。今回のシリーズはこちらのメディアと、現地の情報を参考に編集しています。

 

YourStoryは昨年2019年にインドのスタートアップ市場に最もインパクトを与えたスタートアップ企業と題して50の企業を選出しました。スタートアップを選出した人は、YourStoryのシニア級編集スタッフ、および業界の専門家で構成される審査員。複数の審議を通じて約300のノミネート初期リストを作りました。

 

審査項目として

  1. 市場の可能性
  2. チームワーク
  3. 使用されているテクノロジーのレベル
  4. 提供される製品またはサービスのレベル
  5. イノベーションであるか
  6. 成長の可能性
  7. 製品の利用率
  8. セキュリティ

こういった指標からスタートアップのランキングが決定され、最終的にトップ50が発表されました。今回は皆さんに幅広くインドテックの魅力を知ってもらうべくトップ50のうち、上位10社をランキング形式でお伝えしていきます!

第10位の記事はこちら▷

2020年 インドのスタートアップ企業 注目すべき10社 第10位

2020-01-02

 

では早速、本日9位を発表します!!

 

第9位 AIを活用したスマホデジタル広告 Glance


YourStoryが第9位に選んだのは、スマホのデジタル広告を提供するGlanceという企業です。この企業はSamsung、Xiaomi、Gionee、Vivoのアンドロイドを中心としたスマートフォンのロック画面に広告を表示するサービスを内蔵させています。

 

Glanceが入っているスマホを使用すると、利用者はスマホを見るたびにロック画面に高品質で短い形式のコンテンツ(広告)が表示され、確実に利用者に届くという仕組みです。Glanceはアプリケーションではなく、もともとスマートフォンに内蔵されています。インドで販売されるすべての新しいスマートフォンの65%、2018年だけで9000万台以上のスマートフォンに、このGlanceが内蔵されています。利用者は最初に自分が興味のあるコンテンツを19のカテゴリーから選ぶことができます。

 

 

かつ、現時点では5言語に対応しています(インドには22のオフィシャル言語があると言われています)

 

Glanceの実際の使用感

実際の使用感を知りたいため、インドのチェンナイで働いている友達のしょうご君にGlanceについて聞いてみました。

Kayoreena
(確かしょうごの携帯って、サムスンか何かだったんだよね…)しょうごの携帯にもGlanceは入ってる?

 

Shogo
ああ、これね。うん、入ってたよ〜

 

Kayoreena
えええ!すごい!どんな感じ?

(そもそもGlanceってあんまり認識していなかった模様)

 

Shogo
まぁ、スクリーン毎回オンにする度に写真が変わるってだけだけどね(原文そのまま)

 

Kayoreena
起動すると、写真が出てくるって感じ?ストレスにはならない?

 

Shogo
特に気にならない。例えばこういう感じのコンテンツが表示されるよ

 

しょうごの携帯に表示されていたGlanceの広告コンテンツ▷

 

(ロック画面なので『開くにはスワイプしてください』と表記されていますね)

 

更にこんな広告も…

 

「ゴーン氏が日本からいなくいなった話」まで‼‼笑

 

Shogo
待受画面にスワイプできるタブがあって、そのスワイプ操作したら動画付きのコンテンツを視聴できるようになってる

 

Kayoreena
これは、しょうごが日本人だから表示されているの?

 

Shogo
さすがにそこまで登録してないから関係はなさそう

 

だそうです。

 

Glanceが注目すべきスタートアップに選ばれた理由

 

まずひとつ目に、急速に広がるインドのモバイルファースト経済において、スマートフォンの市場は急速に伸びているからです。Glanceの提供するコンテンツは、たくさんのスマートフォンユーザーに消費されています。現在、Glanceには毎日平均6000万人以上のアクティブユーザーがいて、平均22分を費やしているデータが出ています。これは中国のByteDanceのTik Tokのような他の人気のあるショートビデオプラットフォームの数をはるかに超えています。

 

広告主はユーザーにストレスなく、エンターテイメント情報、スポーツイベントの結果、ニュース、またはファッションのおすすめなど、幅広い情報を最も人々が触れている「スマホ画面」から簡単に届けることができるのです。Glanceのエントリーポイントはスマートフォンそのものにあるため、利用者はアプリをわざわざダウンロードする手間も必要ありません。

 

更にGlanceが注目された理由は、Mithril Capitalから2019年9月に4500万ドル出資を受けたからです。MithrilCapitalの共同設立者Peter TheilはPayPalの設立など、シリコンバレーではとても有名な人物です。この新しい資金により、Glanceは複数の新しいプラットフォーム(GlanceTV、Glance Gaming、Glance Shopping)を立ち上げることができるようになりました。また、同社はこの資金を今後数ヶ月で東南アジアに拡大する予定も発表しています。

 

Glanceのビジネスの可能性

 

Glanceは2015年に最初のサービスが登場してから製品市場の適合性に関する度重なる検証の結果、2017年に現在の形になりました。過去2年間、親会社であるInMobiは製品、コンテンツ、OEMパートナーシップ、チームの4つの分野でGlanceに従事していました。このInMobiとはインド初のユニコーン企業として、ソフトバンクからも出資を受けています。

 

Glanceは「ロック画面のエコシステムは強力なもの」であり、高品質のコンテンツと組み合わせればコンテンツ消費の見方を変えることができると確信しています。日々目に触れる「ロック画面」はユーザーとの接触回数が多く、ここに適切なコンテンツを投下することで、新しい消費体験の提供と、企業としてはAIを活用して個人のデータ分析も活用できるわけです。Glanceはユーザーの体験を最も良いものにすべく、品質が高品質であることと安全性(ポルノや過激なコンテンツは最初から排除)にかなり注意しています。GoogleやFacebookなどの既存のプラットフォームを通さず、消費者に広告を提供できる新たな手段として非常に画期的です。

 

現在、収益化に関しては実験段階であると発表しています。いくつか検証をすすめているようですが、ユーザー体験を損なわず満足度を高めることを、現在企業としても最重要視しているそうです。直近ではまずデイリーアクティブユーザーの1億人の突破を目指しています。

 

Kayoreena
2019年9月の5,000万DAUから、2019年11月の時点で1日のアクティブユーザー(DAU)が6,000万を超えています。1億も夢じゃない!

今回は現地に住むしょうごくんにも協力いただき記事を作成しました!インド・チェンナイから生のインド情報(と時々カレーの話)を発信してるのでぜひフォローしてください◎

ロック画面エコシステム」って知らなかったけど、たしかに確実に触れるからありかも。革新的なアイディア!今後の成長に期待ですね。YourStoryの注目スべきスタートアップ、第9位でした!

 

▷YourStoryのもとのランキングはこちらから!明日以降も引き続き、解説つき日本語記事を配信していきます!

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KAYO OSUMI

函館生まれ 北海道大学医学部卒。2016年9月よりインドの現地採用で就業。当時よりインドに進出する日系企業向けに、インド現地の話題やビジネスに特化した記事を合計600本以上執筆してきている。2018年1月から東京拠点に移し活動を続ける傍ら、現在は株式会社メルカリのインド人・外国籍エンジニアの就業支援。引き続きインドのマーケティング、調査、人材採用を強みとする。
Kayoreena
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