インド コロナの状況を打開すべく立ち上がる現地企業の取り組み

ここ数週間、日本でも突然の緊急事態宣言などで慌ただしいですが、インドのコロナの状況も非常に悪くなってきています。


ウイルス拡大の要因として、宗教行事による行動制限の緩和や、2つの特徴的な変異あわせを持つウイルスの出現によることが指摘されています。

Kayoreena
日本と比較して、国民の衛生知識の教養が低いように見受けられました。日本では徹底されていること(マスクの着用)が曖昧でした。ここまで状況が悪化したのは、今回が初めてです。

特に緊急で対応を迫られているのが「酸素供給」です。現地では、SNSなどで医療用酸素の提供を求める投稿がたくさん見受けられています。

今回の記事では、現地の酸素不足に対する積極的な企業のコロナ対策を一部紹介します。インドは現在、大変危機的な状況は変わりませんが、数々の企業が採算度外視にコロナ感染抑制のためを体制構築しています。

Contents

現地財閥 Tataがコンテナ輸入

4月21日、インド現地の財閥であるTataグループは、COVID-19パンデミックの第2波の中で、インドでの不足を緩和するために液体酸素を輸送するための極低温コンテナを輸入していると発表しました。

「ナレンドラ・モディ首相のインド国民への訴えは称賛に値するものであり、タタ・グループの私たちは、#COVID19との戦いを強化するために可能な限りのことをすることを約束します。ここでの酸素危機を緩和することは、健康インフラを強化するためのそのような取り組みの1つです」(翻訳)

Tataの発信にモディ首相もコロナウイルスと共に戦う意志を発信しました。さらにTataGroupの派閥であるTataSteelは、さまざまな州政府や病院に200〜300トンの液体医療用酸素を供給することも発表しました。

スタートアップが協力し酸素供給体制構築へ

スタートアップの創設者も例外ではなく、WhatsAppグループを動員して、リソース、寄付、必需品を手配しています。インドには州と州を移動する際に、輸入または輸送できる医療必需品の範囲に関する規制が存在しますが、承認のプロセスを待っている猶予がないため、それ以上に緊迫した状況を打破するべく数々の企業が声明を発表しています。

FoodTechとしてユニコーン企業であるZomatoは、ロジスティクスとサプライチェーンのユニコーンであるDelhiveryと協力し、非営利団体FeedingIndiaを通じて、HelpSaveMyIndiaをミッションに、酸素濃縮器と関連用品を調達し、病院や家族に支援することを発表しました。

Zomato HPより引用

Kayoreena
Zomatoは日本で言うUber Eatsのようなフードデリバリーサービスです

Delhiveryは先日、酸素濃縮器の輸入のために中国から2機の飛行機を飛ばすことも発表しました。

インド注目度No.1 フィンテックスタートアップ CREDが寄付制度を構築

インドで普及率が低いクレジットカードを使用することで、利用者へのポイントなどを還元するサービスCREDが、現地のクラウドファンディングプラットフォームMilaapと協力して、サービスを通じ発生したポイントを獲得するごとに病院への酸素が送られるイニシアチブを発表しました。1年前のキャンペーンでは、利用者によるポイントを寄付し、医療最前線のメンバーに30万枚以上のマスクを寄付することができました。

寄付をしてくれた人のために企業が相談時間を確保

Google PayのプロダクトマネージャーAnshumaniRuddraは製品構築に関する2時間のセッションと引き換えに、コロナの救援活動に50,000ルピー以上を寄付するよう企業に呼びかけました。

Inc42より

同様に、デジタルエージェンシーSparklinの創設者であるHimanshu Khannaは、コロナ救援活動に5,000ルピー以上を寄付した人に、2時間の設計とマーケティングのコンサルティングを提供しました。

これらの業界リーダーは、履歴書の作成、製品設計、UX設計、キャリアアドバイス、製品レビューなどのサポートを提供しています。パンデミックの影響を受けた人々を支援するためのイニシアチブや慈善活動への寄付を呼びかけています。

Kayoreena
ネガティブなニュースが多いですが、現地では企業中心に対応を準備しています。このスピード感はインドならでは。まだまだ厳しい状況は続きますが、日本からインド現地の挑戦を応援したいと思います
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KAYO OSUMI

函館生まれ 北海道大学医学部卒。2016年9月よりインドの現地採用で就業。当時よりインドに進出する日系企業向けに、インド現地の話題やビジネスに特化した記事を合計600本以上執筆してきている。2018年1月から東京拠点に移し活動を続ける傍ら、現在は株式会社メルカリのインド人・外国籍エンジニアの就業支援。引き続きインドのマーケティング、調査、人材採用を強みとする。
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