どうしてMUJIは、グルガオンではなくノイダに4店舗目を出したのか vol.373

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みなさんこんにちは!Kayoreena(@kayoreena1021)です!

本日10月14日(土曜日)は

MUJI 〜無印良品〜インド 第4店舗目のオープンの日でした!

 

 

以前、デリーに第3号店がオープンした際には、ブロガー限定イベントに招待いただき、MUJIのPRを担当させていただきました。

 

動画あり インド・デリーにMUJI【無印良品】がついにOPEN!! vol.222

2017-05-03

 

今回も、Noida店のオープンにお邪魔させていただきました。

場所はNoidaにあるDLF Mall of India

 

 

Kayoreena

ちなみにNoidaと日本人駐在員の街Gurgaonの距離は車で50分程度。インドなので、1時間半くらいを見ておけばいいでしょう。ちょうどNoidaとGurgaonの中間くらいにデリーがありますね。

KayoreenaはUber Pool(シェア)で行き、行きが700ルピー、帰りが550ルピーでした。

 

こちらが(実は)インドで最も大きなモール、DLF Mall Of India.

 

 

Kayoreena

インド最大の不動産ディベロッパーDLFって、いっつも自分の建物に「DLF」ってつけるのでわかりやすい(笑)私とインド人親友Priyankaの間で「自己主張が強い様子」の隠語で「DLFみたいだ」って使ってます。

例:お前はDLFみたいな性格だな(DLFのように自己主張が強いな)

はい、完全に内輪ネタでした笑

 

メインのスペースに行くと、

さっそくMUJIの展示がありました!

思わずMUJIの看板と記念に撮影:D

 

展示があったことも嬉しかったのですが、何より

 

NoidaのDLF Mall Of India、GurgaonのAmbience Mallより全然イケてる事実に衝撃

 

Kayoreena

Select Citywalkに劣らないクオリティ。正直、GurgaonのAmbienceよりこっちのほうが良さそう。店の種類も豊富だし、フードコートや娯楽施設も充実。いい意味で狭いので、移動が楽。

NoidaにこんなMallあったんだ!!

→これ今日1番の収穫

 

そして、本日の主役、1st FloorにあるMUJIのお店を発見しました!!

さっそく中に入ってみることに

 

Kayoreena

相変わらず大盛況!でもデリーと大きく違うことは、日本人がいないこと

ここは99%がインド人カスタマー。日本人いないの最高〜!笑

 

Kayoreena

インドで大人気のスタンプによるデコレーション。今日はオープニングなので、特別にインストラクターを呼んで、落ちない絵の具でのデコレーションも実施。

日本MUJIの店でスタンプ出来るけど、特にインドは反響が良いみたいですよ。クリエイティブマインドをくすぐられるのかしら。

インド人のお客様から、売り物ではないスタンプを一式販売して欲しい!っていう声もあるんだとか。

さて、

ここからは実際にMUJI Indiaの浜西さんに登場していただき、今回のNOIDA店OPENについて伺いました!

中央がMUJI India代表の浜西さん

 

Kayoreena

浜西さん!この度は4号店、OPENおめでとうございます!相変わらず大盛況ですね〜!私も嬉しいです。

浜西さん

デリーOPENのときと同様、今回もありがとうございます。

 

早速OPEN初日、どうですか?

浜西さん:店舗のサイズとしてはデリー店と比べて小さいのですが、おかげさまで、インドの方が多く来てくださってすごくうれしいですね。

 

大角:MUJIの店内っていつも、日本のクオリティと変わらず、すごく安心感ありますね。

 

浜西さん:いやでもね、実際細かいところがなってなかったりするんですよ。

たとえば、あの照明の向き。

MUJIの照明は電球型の光を多数、天井に設置しているのだけど、例えばあの電球とか、ちゃんと近くの商品を照らしてないでしょ?(商品を指差す。確かに光が当たっていない)

こういうところが、甘いよね。例えばこの文房具のディスプレイも、デリー店の商品配置と違う。

品揃えも一部滞っている部分があって…例えばメインで売り出している化粧品、在庫数が足りなくて、オープニング初日なのに、代わりに綿棒を並べたよ。日本だったらありえないよ。笑

(こちら入り口入ってすぐのところにあるメインの棚。一番お客さんの目につくため、売れ筋の化粧品・乳液を揃えておきたかったものの、品薄のため代わりに綿棒が売り出されてしまったというエピソードを教えていただきました)

 

大角:なるほど。

でもこういうのは、決してMUJIの在庫管理がダメということではなく、インドではあるあるですよね。

ジュガールの精神といいますか、うまくいかないことがあったり、揃わないものがあっても、どうにかして乗り切るっていう姿勢は大事ですね。

 

浜西さん:そうですね。

話は少し変わるけど、改善点として、今後スタッフは統一した白のシャツにして、ストラップが目立つようにしようと思っています。近くにスタッフがいるということがわかりやすく、万引き防止にもなるしね。今とか、皆好きな服を着てるから(笑)誰がスタッフかわかりにくい。

彼らに「MUJIの製品を着て接客して欲しい」と言いたいところだけど、彼らの給与を考えるとMUJIの製品を気軽に購入してとは言いにくい。でもせめて、統一したものは準備したいと思っています。

こんな感じで、店舗としてはまだまだ準備・改善していく点はあるね。

 

 

MUJIで売れ筋の商品を教えてください。

浜西さん:これはまず、文房具ですね。

日本って、いろんな文房具の高品質・低価格なブランドがありますよね。でもインドって、そういうブランドがないんです。しかも、MUJIのようにボールペン、ハサミ、ノート、筆箱、1つの店でありとあらゆるものが揃う店もない。

値段も手頃で、日本品質というブランドも有り、文房具が一番手に取られています。

 

あとは、キッチン用具とかも売れていますね。

例えばこのボトル容器(990ルピー)は、蓋のパッキングがしっかりしていて、横にしてもこぼれない仕様。

家族用の冷蔵庫って、すぐ扉側の収納スペースがいっぱいになりますよね。これなら横にしても使えるから、収納場所を気にしない。人気が高いです。

下の木製の食器も、高クオリティで手軽な価格なものってなかなかないので、売れていますね。

 

あとは、こちらの耐熱性グラスカップ(550ルピー)。

日本人からしたら、耐熱性って当たり前だけど、インドだとなかなかない。しかもインド人からしたら、この「透明なグラス」っていうのが「カッコイイ」らしい。チャイとかコーヒーとか、よく飲む文化だしね。日本の数倍売れてますね!

 

この枕も、素材がいいと評判(1990ルピー)。インド人富裕層が「使い心地が良い」とまとめ買いをして、在庫を揃えてもすぐ品切れになってしまうほど。

 

こうやって、個別の商品が売れていくと同時に「MUJIの製品が好きだから、MUJIの製品で揃えたい」って言う人がちょっとずつ増えてきています。そうなると更に購買される商品の幅が広がっていきますね。

 

逆に、インドで人気のないMUJIの商品はなんですか

浜西さん:婦人服が思ったより売れないですね。

これは人気というより、インド人女性の服の好みなんだと思っています。実は世界各国のMUJI,どこを見ても婦人服のほうが売れてるんです(比率でいうと7:3くらい)

でも、インドではその逆。婦人服のほうが売れません。なぜなら、インドの女性って、通常使いでサリーとかクルタを使っている人が多いんですよね。

最近、若い人はどんどん欧米風になってきていますが、それでもまだ民族衣装を着る人が多い。

Kayoreena
確かに。さっき撮った写真の女性も半分がサリー。私の働くCyberCityですら、サリーとかクルタ着てる女性多いですね。

 

浜西さん:でも、これからどんどん若い人は西洋風になっていくと思いますし、そのスピードは早いと思います。

逆に、男性服はすごく売れていますね。特にLとXLですね(笑)

おじさんたちがよく買ってくれます。他のファストファッションのおしゃれなブランドだと、なんだか恥ずかしいと思っても、MUJIのようにベーシックなものだと、誰が着ても着こなせる安心感もあるので、派手ではない方々に人気です。

すぐサイズが切れてしまって、MとかSサイズが残っていますね(笑)

 

それでは、今回インド在住日本人が最も聞きたいと思っていること

どうして4店舗目をGurgaonではなく、Noidaに出店したのでしょうか

大角:多分、日本の皆が「え、Noida?!そこで店出してうまくいくの?!」って思ってると思います(笑)

 

【グルガオン・ニューデリー・ノイダの位置関係】

 

大角:多くの日系企業は左手にある「グルガオン」という街に進出しており、そのため多くの日本人がグルガオンに住んでいます。

ノイダに進出している企業も多くないことから、日本人は「グルガオンのほうが栄えている」というイメージがあると思います。

実際、グルガオンにはAmbienceMallをはじめ、多くのMallがありますし、買い物の機会も多い。欧米系の人たちもいるため、中流〜上流の階級にヒットするのではないかと思いました。

また、インド人の友人に聞いたところ、ノイダの治安のイメージが悪い。「Mallから外には出ないほうがいいよ」とまで言われました(笑)

そんなこともあり、なんでノイダなのかな?と思ったところです。

 

しかし

 

正直、このDLFのMallを見て「こんなハイクオリティなMallがノイダにあるんだ」と衝撃でしたし、ここにMUJIが出店したことには納得感がありました。

GurgaonだとAmbience Mall以外のMallはMUJIが出店するには似つかわしくないと思いますし、確かにこのMallだったらノイダもありだなと思いました。

 

浜西さん:そうですよね。おっしゃるとおりです。

ですが実は、ノイダは今後、購買力がどんどん増えてくると予想されているんです。

ノイダがあるウッタル・プラデーシュ州は、インドの州の中でもっとも人口が多く2億人が住んでいます(すでに日本の2倍!)

もともと貧困層も多かったのですが、近年は中流階級〜上流階級の人たちが購買力を付けてきています。

場所あたりの売上で言うと、実はGurgaonのAmbienceMallよりDLF Mall of Indiaのほうが高いんです。

インド全土には800近いモールがあると言われておりますが、そこで上流階級向けに作られたプレミアムモールというのはわずか17程度。その中から、モールに入っている店の種類、立地、客層を考え、出店を検討しなくてはいけないのですが、

Gurgaonの場合、実はプレミアムモールに当たる高級モールというのはAmbience Mallしかなく、それ以外のMallはクオリティが落ちてしまう。MUJIのブランド戦略も考えた場合、Gurgaonには諸々条件がマッチするMallがなかったんです。

もともとMUJIはインド人の顧客をターゲットとしたブランドなので、日本人が現地に持つイメージより、インド人の人口の流れやお金の動きを意識しないといけません。

諸々考慮し、4店舗目はNoida(ノイダ)にしたといった経緯ですね。

 

大角:すごく納得しますね。私自身、今回見てノイダへのイメージが変わりましたし、勢いありますね。

 

 

最後に、浜西さんは屋上のフードコートに案内してくれました。

そこでは、フードコートの全椅子に、赤と白のMUJIカバーがかけられておりました!

Kayoreena
目に入る赤と白のMUJIマーク。期間限定の広告宣伝だそうです。これは効果大!

MUJIによるDLF Mallジャックだ!!

 

こんな感じで、Noida(ノイダ)のMUJIは本日スタートを切ったのでした!

 

最初、ノイダに出店すると聞いて「これまでと比べて、どんな小さなMUJIになるんだろう…」と思っていたのですが(失礼笑)

ホンモノを見て衝撃…DLF Mallの凄さと勢い、MUJIの人気に、ここからますます伸びていくんだろうなと思いました。

 

インドには、自分のイメージしているものと、実際の様子がかけ離れていることが多いです。いろんな噂が飛び交ったり、凄まじいスピードで変化していたり…。実際に現場を見てみて、感じることや気づくことはたくさんあります。

もちろん、中には「Noida(ノイダ)は伸びないだろう」という意見もあるかもしれません。私たちは諸々工夫しながら、できるだけ第一次情報を追って、いろいろな可能性を追っていきたいところですね。

 

あー往復3時間以上かかったけど行ってよかった。足を運ぶことの大切さ、確信が持てた。

 

浜西さん、諸々ご協力いただきありがとうございました!

 

 

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KAYO OSUMI

函館生まれ 北海道大学医学部卒。2016年9月よりインドの現地採用で就業。当時よりインドに進出する日系企業向けに、インド現地の話題やビジネスに特化した記事を合計600本以上執筆してきている。2018年1月から東京拠点に移し活動を続ける傍ら、現在は株式会社メルカリのインド人・外国籍エンジニアの就業支援。引き続きインドのマーケティング、調査、人材採用を強みとする。
Kayoreena
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