インド・スタートアップ・エコシステムの最新動向 vol.482

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みなさんこんにちは!Kayoreena(@kayoreena1021)です!

先日『インド・スタートアップ・エコシステムの最新動向と日本スタートアップの連携可能性』というイベントに参加してきました。

 

イベント概要

13億人超の人口を抱えるインド。端末と通信量の低価格化に伴うスマートフォンの普及等を背景に、Eコマース、シェアリングサービス、モバイルペイメント等のサービスが急拡大し、産業やインフラのリープフロッグ型発展が進んでいます。

また、インド政府は2016年より「スタートアップ・インディア」政策を導入、南部ベンガルールを中心に、インドの大都市でこれまで約6千のスタートアップが誕生しており、また、2017年のVB投資額は約2兆円規模と米中に次ぐ規模に成長しています。

JETROでは、このたび、JETRO GLOBAL ACCELERATION HUB ベンガルール拠点のパートナーである現地コンサルティング会社のZINNOV社等より講師をお招きし、インドのスタートアップ・エコシステムの最新動向について、日系スタートアップ現地市場開拓、日印企業連携、現地高度人材(ITエンジニア)の活用等にも触れつつご紹介します。

 

 

Kayoreena
こちら当日の様子です。

 

 

今回はインドブロガーKayoreenaがこちらのイベントに参加させていただいたので、前半部分であります「インドスタートアップの最新動向」について、早速レポートの方を解説したいと思います。

 

Kayoreena
今回は「インドスタートアップ業界の動向」を皆学んで帰っていってね・ω・

*ブログで掲載しているスレッドは全て、当日配布されたzinnovの資料を用いております。

 

ちなみに過去のバックナンバーでインドスタートアップ関連の記事はこちら

インドのスタートアップCEOが集まるイベントに参加しました vol.460

2018.04.26

インドのスタートアップ事情、どうやって情報取ればいいですか vol.454

2018.04.07

インドの農業系スタートアップ関連情報 vol.434

2018.02.09

Googleはなぜ4ヶ月のインドスタートアップ企業を買収したのか vol.312

2017.07.31

今週の「インド×ブロックチェーン」事情 vol.477

2018.07.22

 

 

India

まず、日系企業の皆さんに伝えたい。

インド市場においてスタートアップで挑戦する際、最も重要なポイントについてですが

1.英語のサービスを展開しなくてはいけないこと

2.市場を正しく理解しなくてはいけない

この2点を伝えたいです。

 

人口が13億人(一人あたりのGDPは1700ドル)いることは有名な話ですが、重要なことは、全ての人口がスタートアップの対象にならないということです。

実態として、国民の層は3つにわかれます。この指標がよく使われます。

 

インド国民 3つの階層

 

 

インド1=UberやAmazonなどを利用 オンラインショッピングなどもする層

所得の60%を可処分所得でしめる。総人口5億人(36%)に値する。

 

インド2=1と同程度の5億人(36%相当)は 所得の33%程度が可処分所得。

*可処分所得が減るほど、支出に当てられる金額が減る

 

インド3=3億5000万人(28%)

可処分所得が0となる貧困層となり、人口の28%に当てはまる

 

India

価格帯の適正であれば市場を開拓できるが、ターゲットの層の可処分所得の規模により市場が決まります。

インド市場のメリットとして、どこの国からどんな企業が進出しても、そのマーケットのサイズは非常に大きいとは言えますが、どこの層にいくらで物を売り込むのか確立した考えを持たないと機会を見つけることは難しいと言えるでしょう。

インドに進出するためには「誰に何を提供するのか」ということを決めることが大事です。

 

GoogleやFacebook,Uberはいま、インド1、2、3それぞれの層に対し満遍なく情報収集をし、自らのサービスをそれぞれどのようにカスタマイズしていくか、その視点に気づき動き始めています。

それらの企業が注目している層は「インド2」「インド3」の層の人達です。

 

 

インドでのビジネスで成功するための3つのポイントは、ターゲットとなる層を見極めた上で、

1.十分な市場があること

2.そこで起こっている問題を専門的に解決できる能力を持っている人材

3.プランを実施するための政策

 

この3要素をしっかり抑えることが重要です。

 

 

インドスタートアップ企業 4つの定義

現在スタートアップで存在している企業は5200程度。2020年には1万社程度になると予想されています。

改めて,インドの「スタートアップ企業」とは定義を下記の4つとします。

1.テクノロジーを成功の鍵としており、起業から5年以内であること

2.顧客にとってサービスを実施するに当たり最低限一つのプロダクトを持っていること

3.会社のビジネスモデルがイノベーションがあること

4.対象企業が創業者がインド人であり、国外にオフィスがあったとしても、エンジニアリングのハブをインド国内に持つ

 

 

B to Bのビジネスにチャンスがある

市場を捉えるにあたりB to Bの事業を展開する視点を持つことは重要です。

インドは、地元企業だけではなく、数多くのグローバル企業がビジネスを展開しているからです。Uber,Amazon、日立、東芝、Sonyなどです。

さらに、インドには様々な企業のグローバル研究開発機関(1250程度)があります。

 

インドはスタートアップとコラボレーションするに当たっても、オープンイノベーションを展開するにあたっても、拠点として注目され、グローバルに展開していこうとしている製品をインド発で展開している企業が増えてきています。

 

インドに投資すべき4つの理由〜インド・スリランカ経済ミッションより〜 vol.424

2018.01.22

 

 

「AI、IoT、Automation」先進技術の理解は急務

 

こちらはインドの上場企業140社の解析資料になりますが、どの分野でも先進技術が積極的に採用されていることがわかります。インドに進出する企業は、先進技術の採用は急務です。

特にAI, IoT,自動化の分野はほとんどの業界で注目されています(スライド右側)

 

Kayoreena
インド法人自身も、自分たちの成長のため、自らの立場も保護しながら、地元企業だけではなくグローバル企業との連携を求めています。

 

インドには5100万社の中小企業が存在し、それは国内総生産の38%に値します。被雇用者は1億1600万人。すでに日本の人口並みで、2020年までには、その企業の9割がテクノロジーを駆使したビジネスに関わっていると考えられています。

さらにインド政府の政策によって、インド企業は税申告など、手続きの全てがオンラインで完結されるよう自動化も進んでいます。

インドのトレンドはGoogleやFacebookといった企業にますます注目され、それぞれの企業は、特定の分野においてスタートアップの企業との連携を考えています。

 

 

インド市場の分析

インドの状況を見てみると、従来インドという国家はソフトウェア国家であると思われてきましたが、一流の人材を活用する場所として成長してきました。大卒の優秀な人材の雇用機会も増えてきています。

その裏付けは政策「Make in India」「Dital In India」によるものであり、政府がビジネスのチャンスを生み出しています。

 

Kayoreena
Make in Indiaとは 国内外の企業からの投資を促進し、インドを世界の魅力的な製造ハブに発展させるインド政府の政策で、インドの高い経済成長率と雇用創出を目指すために、簡易的で効率的な行政を実現することを目的とした政策。

インド政府はこの”Make in India”政策によって、インドの製造業によるGDPシェアを現在の15-25%から60%に向上させることを目標としている.

Dital in Indiaは、国全体をデジタル国家へ変貌させる大きなインド政府の政策。1兆ルピー(約1兆7000万円)以上に上る規模のプログラムの中身は、重要書類保存用デジタルロッカー、教育の電子化、ヘルスケアの電子化、電子署名、国家奨学金ポータルなどがあげられる

 

 

 

スレッド右側に表示されている会社のロゴは、今年1年、インドに積極的に投資している外資系企業。アフリカ、米国、中国の企業が目立っています(日本の企業だと唯一Soft bankがあります。右下)

 

インドスタートアップが取り扱うサービス

インドスタートアップ企業の3割はB to Bのサービスを扱っています。そして全体の15%は最先端技術(AR,AI,IoTなど)をソリューションのコアテクノロジーとして用いています。

取り扱うテーマで多いのはデータ分析系>AI・機械学習>IoTの順となっています。

 

 

このスライドでは横軸が「分野別のインドスタートアップの全企業数」そして縦軸が「対象企業に対する投資された額」を示していますが、スタートアップで一番大きな市場はEコマースです。

次に続くのがEnterprise Product、Fintech、Health tech、Food techと続きます。

 

Kayoreena
FintechだとPaytm,Health TechだとDocsapp,Food techだとZomato,Swiggyあたりが有名どころでしょうか

 

 

インドスタートアップの融資の状況について左スレッドで比較(2016年と2017年の比較)

2012年以降に発表されたスタートアップ企業において、スタートアップへの融資の総額は29億米ドルから34億米ドルへ増加。一社あたりの融資額も220万米ドルから298万米ドルへ増加しています。

右スレッドは「スタートアップの融資を受けるタイミング」について。融資をより受けやすくなっているのは早期の段階であるスタートアップ企業(Early Stage)

また成長期であるスタートアップの企業(Growth Stage)の段階でも融資を受けやすくなっています。

 

 

インド2,インド3の層へアプローチするインドスタートアップが注目する分野

インド2,インド3のセグメントに注目しているインドスタートアップの企業が取り扱う分野はヘルステック>エドテック>Fin techとなります。

更に続いてClean TechとAgri tech.

特にClean Techに関してはGDPの15%を占めており、政府としてはここ2,3年の重要分野として位置づけています。

 

Kayoreena
大気汚染や水質汚染、EVや太陽光パネルの利用など、CleanTechはさまざまな分野がありますね

 

これらのスタートアップが対象にする人口(インド2,インド3)は8億5000万人程度となり、 ソリューションの提供が成功の鍵となります。 国内での展開はもちろんのこと、この層を攻めるインドスタートアップ企業は、世界展開も視野に入れています。

 

現在、積極的にスタートアップに関わる法人は従来型のアプローチ(ツールの提供、データのセットなど)から異なる方法にシフトしており、現在は新たな製品の開発や、プロセスの改善に取り組み、よりビジネスに深く関わる法人が増えてきています。

 

前半部分でのインドスタートアップ最新動向を簡単にまとめてみました。

 

Kayoreena
インドスタートアップは私が今、一番注目している分野です。

優秀なインド人も多く、市場もでかい。今年の秋からPayPayがインドからやって来ますが、インドスタートアップが日本市場を乗っ取る日も近いのでは?!笑

近々後半部分の日本スタートアップの連携可能性もお届けします!

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

函館生まれ 北海道大学医学部卒。2016年9月よりインドで人材紹介会社にて現地採用で就業。インドで働き始めて毎日1本インドブログを更新し、2017年末まで400本ほど記事を更新。2018年1月から東京拠点に移し、インドと日本を行き来しながら、インドビジネス関連の情報を発信している。