皆さんこんにちは!Kayoreenaです。
今日のテーマは「インドで今注目の教育系スタートアップ BYJU’S」についてです。インドのスタートアップに詳しい人は、BYJU’Sの名前は確実に聞いたことがあると思いますが、一般の日本の方にはまだまだ知られていない企業かもしれません。
先日、教育系スタートアップ(英語ではEducationとTechnologyをかけ合わせ、Edtechと呼びます)のBYJU’Sは3億5000万ドル調達し、企業の評価額がインドのスタートアップで最大となりました。
EdtechのユニコーンBYJU’Sは、フィンテックの電子決済アプリPaytmを上回り、最新の資金調達を受けて、インドで最も価値のあるスタートアップになりました。
現在世界トップ20のユニコーン企業のうち2社がインド系となる。#インドメモ https://t.co/W7Blahy8oL— Kayoreena😆🇮🇳 (@kayoreena1021) June 14, 2021
現在、ユニコーン企業と言われる評価額が10億ドル以上の未上場スタートアップ(かつ創業10年以内でテクノロジー企業であることも条件)の世界トップ20に入るのが、このBYJU’Sとインド現地最大の電子決済アプリPaytmと言われています。
今回はインドのユニコーン企業を代表する教育系スタートアップのBYJU’Sとはどんなサービスなのか?基本的な情報を皆さんとシェアします。
Contents
インドの教育系スタートアップBYJUとは
BYJUはインドのバンガロールに本社を置くインドの教育系スタートアップで、オンラインでの教育コンテンツを提供しています。
一般的ではなかったオンライン授業を普及させるため、子どもたちが飽きさせない工夫が沢山施されています。3Dアニメーションを合成したり、ビジュアルを充実させたりして、子どもたちが使いたくなる設計が組み込まれています。
【提供されている録画形式の映像授業】
コロナにおけるオンライン化が後押しし、現在BYJU’Sのユーザーベースは8000万人まで急増し、そのうち550万人が有料会員となっています(2021年6月)2020年の「ロックダウン中にダウンロードされた世界の教育系アプリトップ10」に選ばれました(他にはGoogle ClassroomやDuolingoなどが入っていました)
有料会員になると、個別に最適化されたサービスを受けることも可能です。
BYJUの歴史
BYJU’Sの創業者であるByju Raveendranの両親はともに教師でした。創業者のByjuの教育に対する熱は、両親から受け継がれているものと言われています。
2005年、Byjuは仕事をやめて、MBA志願者にフルタイムで数学を教えはじめました。実はByjuは優れた頭脳を持っており、インドのエリートビシネススクールであるIIM(インド経営大学院)の共通入試を2回とも100点を打ち出すほどの優秀さでした。
そんな彼の授業はあっという間に人気になり、気づけば彼の授業を受けたいと希望する学生の数は6週間で1200人となりました。そのため、自分の授業の様子を動画で撮影し、ネット配信を始めました。2010年、そのByjuの様子を見たIIM( インド経営大学院 )の卒業生が、もっとスケールするようにオンラインの仕組みを構築するように提案し、そこでByjuの元となるThink and Learn Pvt. Ltd.という会社が生まれたのでした。これがBYJU’Sのサービスの始まりです。
同社のターゲットは当時、幼稚園から高校までの教育コースを提供することでした。2011年、彼らはモバイルアプリケーションByju’s-The Learning Appをたちあげ、それがすぐにインド国内の多くの保護者の注目を集めたのです。実際、この目標を実現するためのコンテンツ開発には、4年もの月日がかかりました(このあたりの歴史は、また別途取り上げたいと思います)
同時に直面した大きな課題は「保護者にオンライン教育の方法を信じさせること」でした。そこで無料のコンテンツを充実させることで、その課題を継続的に克服させるようにしたとByjuは現地メディアのインタビューで語っていました。子どもたちが実際にアプリを使い、気に入ってくれれば、少しずつオンライン教育への信頼が増していくと考えました。
そのために子どもたちが楽しく教育に熱中できるインタラクティブなビデオ設計など、たくさんの工夫を仕掛けていきました。結果、たくさんの有料サブスクリプション会員を生み出していったのです。
BYJUが今後目指しているもの
BYJU’Sは、ここ6~7ヶ月の間に、オンラインの学習サービスをグローバルに展開するために、インドや米国のさまざまな分野のスタートアップを買収してきました。4月に、オフラインで試験対策サービスを提供し、215のコーチングセンターを持つAakash Educational Services Ltd(AESL)の10億ドル規模の買収を完了しました。
創業者のByjuは、”学習の未来はハイブリッドであり、オフラインとオンラインの学習の長所を組み合わせて、学生にインパクトのある体験を提供することになる “と考えています。
BYJU’Sはまた、1億5,000万ドルを投じてK-12(幼稚園児から高校生まで)向けの学習サービスを提供するToppr社の買収を完了させており、この買収によってライブチューターの分野でも強みを発揮することになります。
BYJU’Sはインドを代表するスタートアップの一社として、今後もどんどん事業を拡大していくと思います。Tech Crunchでも日本語訳された記事が一部読めますので、ぜひご参考ください。
引き続きブログではBYJUの情報をアップデートしていきたいと思います!
KAYO OSUMI
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