K-POP 韓国大手事務所 Big Hitがヒットを打ち出す理由

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みなさんこんにちは!Kayoreena(@kayoreena1021)です!

本日は最近話題になっているK-POPの大手事務所の一つであるBig Hitについてまとまっていた記事を日本語訳して皆さんにお届けしたいと思います。

皆さんの記憶にも新しい通り、2020年上半期のヒット商品の一つである「Nizi Project」は大きな話題となり、改めてK-POPへの注目が集まっていることかと思います。

記憶を遡るとはじめて韓流に触れたのは「冬のソナタ」だったと思います(私が小学生くらいの時。歳バレる笑)その後、KARAや少女時代が流行り青春時代を共にしてきたわけですが(アラサーの皆さんなら共感してくれるはず)当時はK-POPそのものは一時的なブームとして終わるだろうと勝手に思っていました。

そんな中、新しい曲が頭に入りにくくなった今でも、K−POPなキャッチーな曲は頭にスッと入ってきて、若い日本の女の子たちのあこがれの的となっています。もはや日本の音楽シーンに追いても、K−POPの産業は無視できない存在になっています。

今回はそのK-POP業界をリードするBig Hit エンターテイメントに関する記事を紹介します。

元記事:K-Pop’s big hit gets hit big 「K PopBig Hitが大きなヒットを打ち出す理由」

Big Hit エンターテイメント
Big Hit Entertainment(ビッグ・ヒット・エンターテインメント )は大韓民国の芸能プロダクション。BTS(防弾少年団) やTXTなどを輩出。

【本編】

Contents

コロナウイルスの影響はK−POP業界にも逆風を吹かせる

ソウルに本拠地を置くBig Hit エンターテインメントにとって、今年は最高の年になるはずだった。昨年は過去最高の売上と利益を記録し、IPOも予定されていた。しかし「Covid-19」の到来が、創業者バン・シヒョクが直面する最大の試練の年となった。今、主要な収益源であるライブイベントの将来は宙ぶらりんになっている。Forbes Asiaの記事が掲載された時点で、同社の広報担当者によると、Big Hitのコンサートはすべて延期されており、同社はサイト上でのチケット販売も停止していた。4月に韓国で開催された Big Hitのコンサートのチケットはすでに販売されていたが、返金された。

現代自動車証券のアナリスト、ユ・ソンマン氏は「ビッグヒットのビジネスはウイルスの影響で大きな影響を受けるだろう」と話す。Big Hitは昨年、5億700万ドルという記録的な収入で6300万ドルを稼ぎ、2018年から160%以上増加した。しかし、今年の収入6億1600万ドルという以前の予想をわずか2億7700万ドルに縮小した。

Big Hitが強い理由 -SNS戦略-

しかしそんな中でもBig Hitは強気である。Big Hitの大成長を支えたK-POPグループBTSは、これまで戦略的なマーケティング方法でその地位を確実なものにしてきた。2019年には、7人組のバンドが米国ビルボード200で3枚のアルバムNo.1を獲得したが、これは四半世紀ぶりの快挙だ。昨年7月、BTSはフォーブスの「セレブリティ100」で税引き前でアジアで最も稼いだバンドとなった。

10月に終了したバンドの8ヶ月間のラブ・ユアセルフ・ワールド・ツアーは、1億9600万ドル以上を稼いだと報じられている。

ライブイベントの欠如により、同社のデジタル戦略がより一層重要さを増した。ここがBig Hitの得意とするところである。そのソーシャルメディア戦略は、アイドルグループとして一般的に知られているすべてのK-popバンドのマーケティング方法を変え、BTSを世界的な現象に変えたのは間違いない。その多くの功績は、Big Hitの42歳の共同最高経営責任者(CEO)であるユン・スクジュン、通称レンゾーが、パンデミックの前にソウルのフォーブスアジアに貴重なインタビューを行った内容にヒントがある。

ユンは2013年にバンドが正式デビューするかなり前からBTSのソーシャルメディア戦略を立ち上げた。TwitterやYouTubeなどのサイトでメンバー7人の生活を公開することで、ファンを惹きつけた。スタジオでのリハーサル、誕生日のお祝い、エクササイズ、食事など、何気ない瞬間を撮影した動画は、何億回もの再生回数を獲得した。”BTSは、セレブがインフルエンサーでなければならないことを知る前からインフルエンサーだったのです”とフォーブスの寄稿者であり、8月に発売予定のBTSに関する本を執筆したタマー・ハーマンは言う。

*ネットにはメンバーがオーディションに参加した当時の映像が残っていた

2013年のBTSの初期の映像では、真夜中のスタジオでバンドのリーダーがRMという芸名で活動している姿が映し出されている。彼はカメラに向かってこう言っている。

“正直言って、寒くて、お腹が空いて、眠くて、家に帰りたいんです”

このような動画は、BTSをよりファンに親しみやすいものにした。”K-POPファンは重層的です。単に音楽や歌詞が好きなだけではない。アーティストと付き合っているような体験が、更にファンの満足度をあげた”とユンは言う。”私たちは、YouTubeにアップしたクリップのような強力なコンテンツを作ることに注力しました。今は誰もがやっているが、Big Hitは7年前にやっていた。私たちが先駆者だったのです“と自信を持って語る。

Big HitがHitを打ち出した歴史

Big Hitの歴史を振り返ってみる。Big Hitエンターテイメントはヒットマンの愛称で親しまれているバン・シヒョクがJYPエンターテイメントから2005年に独立しスタートした。Big Hitはボーカルグループのトリオである8Eightと、JYPと共同で運営していた4人組ボーイズバンドの2AMで初期の成功を収めた。2010年に、韓国のアンダーグラウンドヒップホップシーンの15歳のラッパー、BTSの最初のメンバーRMと契約。

その3年後、BTSはリードシングル「No More Dream」でデビュー。人気が出てきた一方で、それまでの数年間にはつまずきもあった。アフロ、飾り付け、バンダナをつけた初期のヒップホップのイメージは、彼らが期待していたようなアメリカの主流をつかむことはできなかった

しかしユンは、BTSの成功は持続可能だと語る。

私は、アーティストが年齢のせいで市場価値を失うとは思わない。BTSのアーティストたちが30代になったら、その年代に合った別のメッセージを送ることができると思う。50代になったら、また違ったメッセージを送ることができると思う。

この強気の姿勢にもある通り、グループのイメージに磨きがかかるにつれ、曲はキャッチーになり、学校でのいじめやメンタルヘルス、政治的な問題までも取り上げられるようになり、K-POPによくある「愛」や「ダンス」をテーマにしたものとは一線を画していった。

グループのソーシャルメディアの影響力は、ユンの初期の洞察力を証明している。BTSのツイッターアカウントは1900万人のフォロワーを誇り、インスタグラムは2400万人のフォロワーを持つ。BTSのYouTubeチャンネルには2800万人の登録者がおり、最も人気のあるミュージックビデオ「DNA」は9億6000万回視聴されている。

2017年、BTSはビルボードのトップソーシャルアーティスト賞を受賞した。翌年、BTSはフォーブスの「30アンダー30アジア」リストにランクインした。

Big Hitの弱点「次のBTSを生み出せるか」

BTSが順調に結果を出す中、共同CEOでもあるバンは今、Big Hitの最大の弱点に取り組んでいる。K-POP3代大手エージェンシーが何十ものアーティストを抱えているのに対し、Big Hitのアーティストの数は圧倒的に少ない。

BTSの最年長メンバーであるキム・ソクジン(27歳)は、来年から韓国で18ヶ月間の兵役が義務付けられている。そうなれば、何人かのメンバーをソロで活動することになるかもしれない。これは同じような状態に直面した韓国のエージェンシーの一般的な慣習だ。回避策として”メンバーが兵役中でも、入隊前に制作されたものであれば、コンテンツをリリースすることができる”というルールがある。昨年末、7人のメンバー全員がBig Hitとの契約を7年更新しているため、兵役の期間を含め、Big HitとBTSの関係性がきれることは無さそうだ。

とはいえ、バンとユンはアーティストの多様化も始めており、新しい5人組のボーイズバンド、Tomorrow X Togetherを含む会社のメンバーを拡大している。

https://txt-official.jp/profile/

このバンドはビルボードのワールドアルバムチャートで複数のエントリーを獲得するなど、早い段階で成功を収めている。6月、Big Hitはソウルを拠点とするSource Musicを買収し、6人組のガールズグループGFriendも買収した。また、オスカーを受賞した映画『パラサイト』のスポンサーであるCJ E&Mとの合弁事業にも着手しており、今年は新たなK-POPボーイズバンドの誕生を目指している。

ファンとアーティストがつながる施策

新たな収益源を見つけるために、Big Hitは技術部門を設立し、昨年6月には全世界のファンのためにアプリ「Weverse」を立ち上げた。

700万人のユーザーを持つこのアプリは、ブランドグッズの販売や、コンサートや長編動画の収益化を行っている。コミュニティセクションでは、アーティストはファンと直接コミュニケーションをとることができる。Big HitはWeverseのユーザーデータをマイニングしてどんなコンテンツがファンにヒットするかインサイトを得ている。“ファンとのコミュニケーションを最大化するためにWeverseを作った “とユンは言う。

それでも、BTSや他のアーティストがいつライブイベントを再開できるかは不明。ライブイベントは通常、K-POPエージェンシーの収益の40%を占める。一つの明るい点は、ライブイベントの主要市場である中国で、徐々に通常の生活に戻りつつあることだ。そして、IPOがある。一時は5兆ウォン(41億ドル)もの高評価を受けていた。

Big Hitが最も大切にすること

Big Hitは、はるかに大きく、確立されたライバルとの競争に打ち勝ってきた。2016年から2019年にかけて、同社の売上高は1,500%以上増加して5億700万ドルに達し、純利益は同期間に8倍に急増した。ユンは、Big Hitの成功は、ファンをビジネスモデルの中心に置いたことにあると言う。

良い曲も大切ですが、ファンが本当に大切にしているのはアーティストとのコミュニケーションです。私たちのファンはすべてです。私たちは常に問いかけています。どうすれば自分たちを向上させることができるのかと常に問いかけています。

これまで作品の芸術性や音楽性にフォーカスされてきたK-POPが、ファンの多層化の中で見つけた新しい施策により、これまでの産業の成長を後押ししてきた。日本でも、アイドルとアーティストのコミュニケーション方法はここ数年で大きく変化してきている。Nizi Projectに参加したメンバーが、難しい困難を乗り越え、どんどん成長し美しくなっていく姿に多くの人が心を打たれ、多くの人を魅了したことは記憶に新しい。

完璧さや神聖さが良しとされた韓国音楽産業でも、インターネットの産業構造の変化などで、そのニーズの形は変わってきている。K-POPのアーティストが世界に魅せる姿に、まだまだ可能性しか感じられないが、今後は現状を踏まえどこまで新しい業態にチャレンジし、次のコミュニケーション方法を開拓できるかが鍵となってくる。

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KAYO OSUMI

函館生まれ 北海道大学医学部卒。2016年9月よりインドの現地採用で就業。当時よりインドに進出する日系企業向けに、インド現地の話題やビジネスに特化した記事を合計600本以上執筆してきている。2018年1月から東京拠点に移し活動を続ける傍ら、現在は株式会社メルカリのインド人・外国籍エンジニアの就業支援。引き続きインドのマーケティング、調査、人材採用を強みとする。
Kayoreena
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