シリコンバレーから届いた「#地獄のサンフランシスコ」 vol.437

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皆さんこんにちは!Kayoreenaです。

 

最近、ある一つの講演を教えてもらいました。今日は皆さんにその内容をシェアしたいと思います。

 

その講演の資料がこちら。

#地獄のサンフランシスコ – 講演のスライドと動画

 

上杉周作さん(@chibicode)の「#地獄のサンフランシスコ」という講演です。

 

 

上杉周作さんとは誰?

しゅうさん
日本とアメリカ育ち。シリコンバレーのエンジニアです。

1988年日本生まれ。カーネギーメロン大学卒。学位はComputer Science学士・Human-Computer Interaction修士。Apple・Facebook・Palantirでエンジニア職、Quoraでデザイナー職を経験。

その後半年間日本でニートになり、2012年9月よりシリコンバレーの教育ベンチャー・EdSurgeに就職。2017年1月に退職して1年間、世界を旅する。NHK「ニッポンのジレンマ 2016年元日SP」「クローズアップ現代+」に論客として出演。

 

 

この講演はシリコンバレーに訪問した日本人学生のために、しゅうさんが2015年に行った講演で、内容はしゅうさんのブログの記事と動画に落とされています。

 

 

しゅうさんの代表作の記事は

シリコンバレーのエンジニアが語る、誰にも悪気はなかった話

 

ゆるい世界の旅を終えて、30歳になりました

 

Kayoreena
私がしゅうさんのことを知ったきっかけは「ゆるい世界の旅を終えて、30歳になりました」という記事を読んでからです。

正直、私あまり世界一周って興味がなかったのですが(笑)しゅうさんの記事を読んだら、なんだか私も世界一周に行ってみたくなりました。そんな素敵な記事です。

しゅうさんは世界一周の際にインドも訪れていたらしく、そこで接点を持ち、シリコンバレーのお話を伺いました

 

もちろん代表作も読んでほしいのですが、本日紹介したいのは、先程話した「#地獄のサンフランシスコ」についてです(また後からリンクまとめます)

 

過去にしゅうさんの記事を読んだことがある人はわかると思うのですが、しゅうさんの記事から出てくるエビデンスの量と、そこから出てくる考察、それが圧倒的です。

私もブログを書いてますが、調べてた情報を全部記事内に使っているわけではないですし(一切登場しない情報もある)それをふまえても、一体どれだけ情報を集めて、分析して、考察して作っているんだろうと、恐ろしく感じてしまうくらい、しゅうさんの記事はわかりやすく説明された記事が多いのです。

 

 

Kayoreena
毎回しゅうさんの記事は反響が多くて、多くの人たちから感想が寄せられています。

この発信力がシリコンバレーのスタンダードなのだとしたら、しゅうさんはいったいどんな世界を生きているんだろう

 

そんな風に私は疑問に思っていまいた。すると、こんな返事が返ってきました。

Shu▷Kayoreena

 

皆、知的な議論をみんなするのがとても好きなんだと思います。昔、この記事のまとめを、講演したことがありました。

How Burrowing Owls Lead To Vomiting Anarchists (Or SF’s Housing Crisis Explained)

 

ちょっとスクロールするとわかるんですけど、この記事、1冊の本と同じくらいの分量なんですよね。記事内のリンクの数からして、リサーチ量が圧倒的。

 

 

僕もかなり短く要約して、それでも講演で使うスライドは380枚とかになったのですが

 

この記事のすごい点は

FacebookのOculus買収の話が2,579RT、WhatsApp買収の話が5,446RTされる中で、この記事単独で4,327RTされているという関心度

しかも他の2つの記事と比べて、内容が圧倒的に長いこと(1万3,000単語で読了まで1時間=読まれにくいのに多くのシェアがされている)

にあります。

 

このようにこの記事が流行った訳ですが、背景には「人々が議論をするのが好き」というのがあると思っています。

 

しゅうさん
ネット上の議論も、会社での議論も、カフェとかでの議論も、ランチとかの議論もみんなとても質が高いんです。

シリコンバレーではネットのブログでもそのくらいの情報量のものを発信し、そして議論されるっていう土壌があって、いいなって思います。

 

Kayoreena
この記事について、しゅうさんが講演をされたということですね。

(ここにシリコンバレーのスタンダードが隠れているに違いない)

 

こうして、しゅうさんから#地獄のサンフランシスコを教えてもらいました。

 

 

 

実際に私が見た「#地獄のサンフランシスコ」はこちら

#地獄のサンフランシスコ – 講演のスライドと動画

Kayoreena
忙しいビジネスマンの方、もちろん見てほしいけど、特に見てほしいのはこれから海外を目指そうとしている子達。

実際にシリコンバレーの最前線でエンジニアをやっている方の講演です。なかなか聞けないし、ここにはたくさんのヒントが詰まっています。

 

冒頭は自己紹介等混ぜながらスタートしますが、本題のテーマは「なぜSFの家賃は高いのか?」ということについてでした。

 

それぞれ与えられた疑問10について、1つずつ背景を深掘りしていきます。

深掘りする内容は、背景となる歴史を遡ったり、

 

法律を調べてみたり、

 

その法律が実施されることで起こりうる事象について検証してみたり

 

その法律ができたときの政治情勢について調べてみたり

 

その他、実際に見てくださった方はわかると思いますが、さまざまな視点から「なぜSFの家賃は高いのか」ということを考察されています。

ちなみに、今回の講演のベースとなっているのが、先程シェアしたこちらの記事になります。

 

この講演を通じて、しゅうさんが皆さんに伝えたかったこと

https://chibicode.com/jp/sf-hell/より写真引用させていただきました

 

しゅうさんは最後にこのように語っていました。

 

SFの家賃の問題、一見「需要と供給が合わないだけでしょ?」というだけの問題かと思いきや、紐解いていくと、実にさまざまな問題が絡み合って、今の一つの問題が起こっていることがわかったかと思います。

これはもちろん、家賃問題以外にも、いまSFで起きている多くの事象に同じことが言えます

 

つまり私たちは、ある問題に直面してそれが簡単に解決できる単純な問題に見えても、実はその問題の複雑さというものに気づいていないことが多いのです。

私たちはいつも問題を、単純化しすぎているのです。

 

物事を捉えるときに「A.B.C」と並べて書けるうちは「単純化」していると言えます。

そうではなく「AだからB,BだからC,Cだから…」と条件文を長くつなげることができれば、その複雑さを可視化することができます。

 

この「複雑さ」をきちんと認識しているかしていないかで、問題をシンプルに捉えたとしても、捉え方は大きく違います。

 

つまり今日伝えたかったことは「ここであなたが目にした変化が起きている理由は、あなたが思っているより複雑かもしれないよ」ということです

 

Kayoreena
参考にしかならなかった…(脱帽)

 

 

Kayoreenaの感想・見解

ここからは同じく動画を見た私の感想も連々と書いておきたいと思います。(飛ばしてもいいです)

 

一つひとつの背景は全く知らなくても、理由がわかれば面白い

今回「サンフランシスコの家賃はなぜ高いのか」という題材に関して、歴史的背景や法律の話など、内容はどれを切り取っても興味深いものばかりでした。

それは話題がきちんと原因」や「理由」にフォーカスされており、その物事の本質理解につながるため、一番おもしろい点がきちんと読者に伝わっているからなのだと思います。

確か「人が物を購入する時、その人が購入した事実より『購入した理由』に他人は興味を持つ」という話を聞いたことがあります。

SFにレントコントロール法があって、と突然説明されても「へえ」となってしまいますが、その法律の背景や内容、それによって起こった現象など知ることができれば、興味が持ちやすくなります。

日本のメディアで海外の情報を発信しているものがあっても、細かい理由まで解説し、全体像を把握した上でまとめられているものは見つけるのが難しいです。まとめ情報と簡単な補足がついているものが多いです。

そういう中でしゅうさんの発表は、はじめて聞く人でもわかりやすいように、きちんと背景や原因が説明されており、それにより、縁もゆかりもない話でも、ここまで興味深くなるものなのだと言うのは大きな発見でした。

 

しゅうさん
深堀りしてくなかで、その分野以外にも、役に立つような教訓があればいいですね。

 

 

自分自身のブログの特徴を知り、課題を見つける

「まったく何も興味・関心のないところからでも面白い話が作り出せる」という気づきは、私がいまやってる活動にとっては大きな希望です。

インドはまだまだ関心が薄い国なので、私は「興味を持ってくれる人だけ読んでくれればいい」と思っていたのですが、実は伝え方次第では、私のようなもともと知識が0だった人にも、伝えられるかもしれないからです。

ちょっと話はズレますが、しゅうさんのブログの記事と私の書く記事には、諸々違う点が幾つかあります。

しゅうさんの記事は「1本のボリュームがしっかりしていて読み応えがある」もので、1記事1記事が「小さな本」のようになっています。一方私は「さくっと読めるものを高頻度で発信する」という点でどんどん記事を更新してきました。

私のプライオリティは「スピード」「わかりやすさ」「第一次情報であること(少なくともインドに居る時は)」がありますが、「しっかりした考察をつける」ということはあまりやってきていませんでした。

 

「自動運転車禁止令」より、技術的失業はインドにも来るのか考える vol.308

2017-07-26

 

Kayoreena
この記事とかちょっとだけ頑張った感じある。でも中途半端で終わった笑

 

もう少し広い層に関心を持ってもらうためには、今までの私がしてこなかった工夫をいれなくてはいけません。

今後できそうなこととしてはまず、一つの事象に対して集める情報の量を増やすこと。つまり「視点」を増やすこと。そうすることで「面白くなる」ということは1で述べた通りで、だから「視点」を増やして情報は集めていったほうがいいでしょう。

 

Kayoreena
きっとそれは、しゅうさんが言っていた「議論」のきっかけにもつながると思う

 

さらに視点を増やして議論を深めていくことは、私の今までの記事の欠点だった「風化しやすさ」にも効果があると思います。

例えばインドの高額紙幣問題について。これに関して、当時インドで起こった事象について事細かに説明されている日本語記事はあっても(私も当時まとめました)そもそもなぜ脱税が多いのかとか、ブラックマネーが多いのかとか、どうして当日発表になったのかとか、治安はどうなった、成功だったか失敗だったか、総括的に分析している記事はほぼありません。それがしっかり作られれば、きっと良いものになっていくでしょう。

今回、しゅうさんの発表から得た気付きは、自分のブログ執筆活動にすごく足りない視点が溢れていて(もちろん今後活かすも殺すも自分次第ですが)その「違い」はしっかり覚えておきたいなと感じたのです。

(他にも思いついたら追記します)

 

 

 

諸々書きましたが、一言で言うと圧倒的に練習量が足りないと、頭を殴られた気分ではあります…。。笑

 

最後にもう一度、しゅうさんの代表作であるシリコンバレーのエンジニアが語る、誰にも悪気はなかった話

こちらも紹介します。

そしてこのたび、4年とすこし働いたEdSurge社を退職しました。しばらくはニート生活を楽しみ、その後は教育以外の分野に進もうと考えています。

良い区切りだと思うので、しばらくのあいだ最後になるであろう、教育についての記事を書くことにしました。かなり長いのですが、読んでくださると嬉しいです。

目次

  1. 第一章: ヒーロー童貞
  2. 第二章: 1億ドルのご褒美
  3. 第三章: 10億ドルのご褒美
  4. 第四章: 民主党と共和党
  5. 第五章: 住民の集会と金持ちの集会
  6. 第六章: エイボン校
  7. 第七章: セントラル校
  8. 第八章: 学区長
  9. 第九章: 最終兵器
  10. 第十章: チャータースクールの光
  11. 第十一章: チャータースクールの闇
  12. 第十二章: 四面楚歌
  13. 第十三章: 反省会
  14. 第十四章: 地に足がついている取り組み
  15. おわりに: 議論の質を上げよう

 

しゅうさん
もっと議論の質を上げていきたい、というのが僕の思いです。日本も、世界も。

そのためには、たくさんの知識を仕入れる必要と、議論の練習をする必要があります。僕はまだまだですが

 

 

私もしゅうさんのレベルを目指したいところではありますが、すぐ上達しないこともわかりますし、無理は続かないこともわかります。

ですがこれからは、、今起こっている事象についてはいつもよりもう一歩、調べる癖をつけていこうと思います。

そうやって毎日続けていけば、どんどん世界はクリアに見えてくると思うし、慣れてきたら、リサーチ力もどんどん上がってくると思います。

 

Kayoreena
良い発信をしたいと思ったら、既にやっている人の姿を真似するのが一番ですね。そういう名言あった気がする。

 

ぜひ皆さんも、しゅうさんのブログ…しゅうさんの見ている世界に入ってみてください。

私はシリコンバレーにも行ったことがないし、アメリカも行ったことがないけれど、きっとすごく厳しくて、でも楽しい世界で生きているんだろうなと、すこしだけ様子を垣間見ることができると思います。

 

最後に、しゅうさんのブログのURLを載せておきます。

 

 

*スライドはこちらからダウンロードできます。記事内ではスライドを一部引用して紹介しています。

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KAYO OSUMI

函館生まれ 北海道大学医学部卒。2016年9月よりインドの現地採用で就業。当時よりインドに進出する日系企業向けに、インド現地の話題やビジネスに特化した記事を合計600本以上執筆してきている。2018年1月から東京拠点に移し活動を続ける傍ら、現在は株式会社メルカリのインド人・外国籍エンジニアの就業支援。引き続きインドのマーケティング、調査、人材採用を強みとする。
Kayoreena
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