プロサッカー選手 和泉新が考える「日本」と「インド」のこと vol.239

みなさんこんにちは。

Kayoreenaです。

本日は、昨日Kayoreenaブログ特別編に登場していただいた、インドでプロサッカー選手として活躍されております和泉 新【Izumi Arata】選手のインタビュー後編です。

昨日公開したインタビューはすごく好評で、いろんな反響をいただきました!本当にありがとうございます!(^^)

 

ここで改めて新選手の紹介♡

インド人の父と日本人の母との間に生まれ、幼少期からサッカーにのめり込む。高専卒業後、プロを志し新潟へ。アルビレックス新潟シンガポールから2006年にインドのイースト・ベンガルへ移籍。その後、マヒンドラ・ユナイテッドFCを経て2009年からプネーFCに在籍している。 2012年にインド国籍を取得。現在IリーグとISLリーグで活躍する数少ないインドプロサッカー選手。

 

昨日のタイトルは『和泉新選手のサッカー人生から学ぶ「夢をつかむ哲学」』ということで、新選手のこれまでの軌跡から、目標を達成していくためのマインドを紐解いてみました。

本日は2つの故郷「日本」と「インド」を軸にお話をいろいろ伺いたいと思います。

 

…この私、睨んでる?笑

 

大角:新さん、インドでは、国民のスポーツに対する考えっていうのは日本と違いますか?

 

和泉:僕はサッカーに関してしか話せないけど、インドはクリケットがとにかく人気で、選手の報酬もステータスも高いから、もし子供にスポーツをさせるとしたら皆クリケット選ぶんだ。

それに比べ、サッカーとはもともと貧しい人たちのためのスポーツだから、周りの認識もそういうイメージで固められてることが多い。今いる代表選手の中にも、もともとは家がなかったっていう選手も本当にいる。

例えばインドの学校とかに言って、親御さんたちと話すときのことなんだけど

「あなたの仕事は何?」「サッカー選手です」というと「サッカー…だけ?他には?」と聞かれる。

あとは「サッカー選手って、どれくらい儲かるの?」「サッカー選手のキャリアってどういうふうに作るの?」「サッカー選手って必ずなれるの?」と、いろんな質問が来る。

 

大角:皆の中で「プロサッカー選手として稼ぐ」ということがまだまだ未知の世界なんですね。

 

和泉:そもそも「サッカー選手になれますか」っていうのは変な質問だよね(笑)それは本人の努力しだいですよ。親が望んだって、その子の人生は決められないんだし。

サッカー選手になるためには、時間もお金もそれなりに投資が必要だけど、努力すればその先には道があるということ、そしてそれを目指す子どもたちが、今後増えるとすごく嬉しいんだけどね。

 

大角:日本では、男子なら一度は「スポーツ選手になりたい!」って思うと思いますが、もっと安定的な生き方を選択することが推奨されますよね。

 

和泉:僕もその点は賛成ですね。スポーツ選手も、最低大学は出ておくべきというのが持論。僕は幸い、この年でもプレーができて本当に幸せだけど、スポーツ選手で活躍出来る期間というのは、本当に短い。

20歳でデビューし、5年プレーしたとして、残り50年以上残ってますよ。その後の人生のことを考えたら、勉強もしっかりしておくっていうのは、僕は大事な考え方だと思います。

 

「今では大企業で安定した生活を望んでいるサラリーマンですら、ぐらついてしまう世の中だからね…」と自虐的な中さんのコメントもはいりました。今回のインタビューをセッティングしていただきました!

 

大角:まだまだ日本のような環境では、いわゆる「ハーフ」というだけで、小さい頃はいじめにあったりすることもありましたか。

 

和泉:それはやっぱりありましたね。特に幼少期や思春期のときはすごくコンプレックスが強かった。サッカーの試合中は、みんなエクサイトするから、きつい言葉を浴びることもあったかもね。ここは住みにくいと、思うこともあったかな。

 

大角:新さんの記事を事前に読んだのですが「インドで活躍する初の日本人プロサッカー選手。2012年にインド国籍を取得」という内容が多くありました。「国籍をかえるということ」というのは、当時話題になっていたみたいですね。

インドに来て思うことは、いろんな肌の色も、宗教の人も、目の色が違う人もいて、国籍というのは本当に気にならない環境であること。

一方、日本はまだ、国籍に関するネガティブなニュースがたくさん流れたり、相変わらずな感じがあるな…というのが、外から日本を見守る私の意見です。

 

和泉:国籍を日本からインドへ変えたとき、その話題がYahooニュースに載ったのだけど、そのときは怖くてニュースが読めなかった。そこに書かれているコメントを読んだら、きっと傷つくこともあるだろうなと思って。

…少しだけ読んだコメントの中には「猫ひろし」って書いてあったりしたかな(笑)

国籍を変えるということは、いちばん悩んだことだった。それは、何かを捨ててしまうことなのかなと、考えたこともあったから。

でも、自分の親しい人や友人は「新はなに人なっても、新のままだよ」と言ってくれて、決断することができたんよ。

 

大角:日本からインドへ、国籍を変えようと思った理由はなんですか

 

和泉:それは、インドの代表となることへの自覚かな。プロ選手としてプレーするということは、12億人の代表となるということ。普通、そんな経験ってさせてもらえないでしょう?

インドでプロとして活躍する場所を与えてもらえて、僕がインドに返せることは何かと考えた時に、国籍をインドにするということが、一つその形だったんよ。

…あーなんか、こうやって改めて語ると、胸にグッと来るものがあるな…。そういう思いだった。

 

【インドでは友人・恋人・家族同士みんなでセルフィーを撮る文化があります。】

 

大角:最後になりますが、新さんから、今何か日本の若者に伝えたいことってありますか?

 

和泉:日本人の佳代さんを前に言うのは失礼かもしれないけど、日本はやっぱり、視野が狭いなと感じることがあります。鎖国の歴史も長いし、正しい世界の情報が届いてない感じがするよね。一歩世界に出てしまうと、日本人が考える世界とは全然違うものが広がっているわけだし。

この間なんて「インドにiPhoneがあるんだね」って言われてびっくりしたよ。今2017年ですよ(笑)

少しでもいいから、視野を広めてみてほしいなと思います。自分が知ってる世界なんて本当に少し。10%広げるだけでも、全然変わると思いますよ。

そして狭い世界の中で「僕はもう輝けない」とすぐ諦めないこと。そこではない全然違う世界で、本当の自分の輝ける場所は見つけられます。そういう視点で、広い視野を持って動いてみてください。

 

大角:新さん、本日のインタビューは以上になります。本当にありがとうございます。

 

 

【オフミーティング:Kayoreenaの今後について】

インタビューが終わると「俺、ちゃんと話せてた?」とちょっと心配した様子の新選手。いえいえ、しっかり素晴らしい言葉いただきましたよ!

さて、ここからが本題…(?)

インドにせっかく来たし、やっぱりKayoreenaはインド人男性との結婚?そこのところどう思います?と新選手に直撃したところ「まずはインド人男性との出会いだね!」というアドバイス。

インド人男性、ぜひご紹介してください!!

「金持ちイケメンがいいよね?」という質問に「はい、そうですね」と包み隠さず本音を返したのですが(笑)

もっと言うと、心で分かり合える人がいいなというのが本音…。海外に来て色んな国の人と気軽に知り合えるからこそ、心の底から分かり合える安心した関係って言うのが本当に大事だなと感じるのであります…そういった意味では日本人のほうがいいのかな…(ここまで書く?笑)

ちなみに新選手は、インド人の彼女と付き合って5ヶ月で結婚を決めたんだそう。奥さんとの喧嘩中にタイミングがあってプロポーズをしたんだとか。「ここまで喧嘩できる仲だから、安心できた」とのこと。素敵な関係ですね。

…ということは、Kayoreenaの年内結婚も可能性なくはないですね…!!(すぐ自分の話w)

 

という感じで、終始話は盛り上がったのでした…(完)

 

【最後に】

今回ははじめてスポーツ選手のインタビューということで、最初はちょっと緊張していたのですが、新選手の人柄に惹かれ、とても楽しい時間を過ごすことができました。

 

インド人として活躍しながら、生まれ育った日本の感性も持ち、オンリーワンの存在としてインドサッカー業界に多大な功績を残し続ける新さん。

今後はもっと、複数の国のルーツをもつ人というのは確実に増えていくわけですから、もっとそういう人たちが活躍しやすい世の中になっていけばいいなと思います。

新選手の活躍は、まだ国籍や人種で差別や偏見を受けている人にとって、きっと希望のような存在になるでしょう。

私たちは、ただただ応援することしかできないかもしれませんが「最近新、サッカーちゃんとやってるのかな?」と、連絡をくれた昔の友人のように、私達も新さんの活躍を見守っていますよ。

人生は、『嫌なこと「49」いいこと「51」』…これからもサッカー頑張ってください!!

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KAYO OSUMI

函館生まれ 北海道大学医学部卒。2016年9月よりインドの現地採用で就業。当時よりインドに進出する日系企業向けに、インド現地の話題やビジネスに特化した記事を合計600本以上執筆してきている。2018年1月から東京拠点に移し活動を続ける傍ら、現在は株式会社メルカリのインド人・外国籍エンジニアの就業支援。引き続きインドのマーケティング、調査、人材採用を強みとする。
Kayoreena
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