みなさんこんにちは!Kayoreenaです☆
今日はサクッとニュース記事よりインドに関連するものをピックアップしてお届けします。
3月29日、NHKWebニュースより、
東芝 最終赤字は1兆100億円の可能性と発表
という記事が配信されました。
抜粋:アメリカの原子力事業で巨額の損失を出すことになった東芝の子会社ウェスチングハウスは、日本の民事再生法にあたる連邦破産法11条の適用を申請しました。東芝は、アメリカの原子力事業から撤退することになります。
東芝は、これによって損失が膨らむことなどから今年度の決算で、最終赤字が1兆100億円になる可能性があると発表しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170329/k10010929221000.html
今回のニュース、インドへの影響は
こちらは産経ニュースより抜粋
→東芝は巨額損失を出し続けてきた米原発子会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)の経営破綻を受け、米国のほかインドや中国、英国で手掛ける原発事業からの撤退作業を急ぐ。保有するWHと英原発子会社の株式を早期に売却できるかが今後の焦点だ。
インドでは、WHが計6基の原発を建設することで昨年6月に米国とインドの両政府が合意した。今年6月までに契約する方針だが、白紙撤回となる懸念がある。昨年11月にインドと原子力協定を結び、原発輸出をもくろんでいた日本政府も打撃を受けそうだ。
http://www.sankei.com/economy/news/170329/ecn1703290053-n1.html
更に詳しく、インドにおける原発市場の分析も下記に載せてみました。
The Huffington Post
「東芝・WH問題」が蒸し返すインド「原子力発電」の問題点より
*もともとインドは、原発のフロンティア市場だった
インドは1960年代から、国際的な核管理の枠組み外でほぼ独力の原発開発を進め、現在国内には21基、総発電能力578万キロワットの原発を有している。さらに、ラジャスタン原発7、8号機(各70万キロワット)やカクラパル原発3、4号機(同)など計380万キロワット分が建設中である。
2019年までにインドの原発発電能力が1008万キロワットに拡充されるとの見通しを示した。
さらにインドは、2024年までに原子力による発電能力を現在の3倍にし、2050年までに総発電能力に占める原発の比重を25%にするという野心的な目標を掲げている。
これを実現するためには粗く見積もっても1500億ドル以上の投資が必要となる。つまり、先進各国の原子力産業にとってインドはまさに最大のフロンティア市場なのだ。
インド国内では確実に原発の建設が進行。
こうしている間にも、相変わらずペースが遅いとはいえインド国内では着々と原発建設が進んでいる。ロシアの協力によるインド最大のクダンクラム原発2号機(タミルナドゥ州、1000メガワット)は昨年7月に核分裂反応が安定的に継続する「臨界」に到達、今年1月下旬には最大出力での運転試験を実施しており、2017年内にも商業発電を開始してインド22基目の原発となる見通しだ。
クダンクラム原発では昨年10月、3、4号機の建設に向けた準備作業もスタートしている。
そして西部グジャラート州で建設中のカクラパル原発3号機(加圧水型重水炉)では、2017年中にも試験運転開始が見込まれており、18年中の商業発電に期待が高まっている。
2016年6月、訪米したモディ首相とオバマ大統領(当時)による首脳会談に際して、WHがインド南部アンドラプラデシュ州に加圧水型軽水炉AP1000型原子炉6基を建設することで「印原子力発電公社(NPCIL)」と基本合意したばかりだった。これは正式契約にこそ至っていないが、米輸出入銀行が資金を支援するという太っ腹な内容で、改めてインドの原子力開発が国際社会に認められたことを強く印象付けた。
「原子力賠償法」の弱点を補強
インドが2010年に施行した「原子力損害賠償法(CLND)2010」は、世界で唯一、事故に際してサプライヤーつまり原子炉メーカーに賠償責任を負わせる規定である。東京電力福島第1原子力発電所事故の例をみるまでもなく、この規定によって、米国など民間企業が原子力産業を担う国からは二の足を踏む動きが出始めた。
危機感を感じたインド政府は原発への投資をテコ入れするため、2015年、同法はそのままにサプライヤーの賠償責任を軽減し、「インド総合保険公社(GIC)」など公営損害保険会社5社などによる総額150億ルピー(約2.2億ドル)の「原子力保険プール」を設立した。
CLNDは1度の原発事故における賠償限度額を3億SDR(国際通貨基金からの特別引出権、約4億ドル)と定めているため、賠償額が保険プールによる150億ルピーを超えた場合は、限度額との差額を政府が負担することになる。
インド政府はさらに2016年2月、日米やアルゼンチン、アラブ首長国連邦(UAE)などが加盟する「原子力損害賠償の補完的補償に関する条約(CSC)」を批准。加盟国による補完基金によって、更なる補償額の増大に備える体制を整えつつある。
史上最悪の「轍」
しかし、東芝―WHがこうなった以上、150億ドル以上ともいわれる投資に耐えられるのか、いささか疑問だ。WHのホセ・グティエレスCEOはメディアの取材に対し、危機表面化後も「インドとは交渉を続けている」と説明。
インド原子力庁(DAE)のセカール・バス長官も2月、ロイター通信に対して「(WHとの協力に)技術的な問題はなく、いまも協議を進めている」と発言している。だが、WHがもし脱落すれば、日、米、仏、ロシアなどを競わせて原発整備を進めようとしている(との見方がある)インド政府の思惑は崩れかねない。
保険プールやCSCによるカバー体制にも不安が残る。米国の原子力業界からはかねて、「事故に際し、原子炉メーカーが事業者であるNPCILから損害賠償を請求されるリスクはなんら減らない」と懸念を表明している。民間企業にとって(もちろん、フランスやロシアの国営企業ですら)、メーカーが責任を追及される可能性のある原子力賠償法が存在するインドでの原発建設では、どこまで本気でビジネスをやれるのか、という問題に直面する。
かといって、法改正でメーカーを免責することは政治的にまずい。この背景にあるのが、未確認も含めて2万人以上の死者を出したとされる1984年のユニオン・カーバイド工場(印中部マドヤプラデシュ州)の有毒ガス漏洩事故だ。
この史上最悪の産業事故に際し、外資誘致を重視したインド政府は涙金の賠償金で妥協、責任企業「ユニオン・カーバイド」の代表者の「国外逃亡」を事実上黙認するなど、国民に深い不信と不満を残した。政府としても同じ轍は踏みたくないだろう。
原発のリスクが蒸し返され、火力発電の優位性が相対的に高まる中、インド政府がどこまで原発に力を入れ続けるのかは判然としない。昨年11月には訪日したモディ首相と安倍晋三首相との間で、インドへの原発輸出を可能にする日印原子力協定も締結したばかりだが、東芝―WH問題は、インド国家百年の大計ともいえる原発開発計画にも少なからぬ影響を与えつつある。(緒方 麻也)
考察は皆さんの方で。ではまた!
Kayoreenaとは?…本インドブログライター。
2016年9月よりインド就業を開始し、赴任2日目から毎日1本インドブログを更新中。日曜日はインドブログEnglish Version「My Indiary」も更新。Kayoreenaはオリジナルネーム「Kayo」とインドのボリウッド女優「Kareena」をミックスしてつけた名前。
本業はインド就職の人材紹介Miraist 所属。インドで働きたい人の背中を押すべく始めたインドブログが最近の趣味となっている。
また、インドで働く日本人女性のインタビュー「Miraist Woman」の編集長も勤めている。今の目標は日本のメディアでインド連載を持つこと。
KAYO OSUMI
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